金融機関では自己査定を行い融資先を区分しています。
この自己査定には2つの目的があります。金融機関として将来の貸倒れに備えて引当金を積むため、不良債権額、同比率を算定するためです。これらを開示することは、お客様が安心して取引をするための前提となります。
正常先、要注意先(その他要注意先、要管理先)、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先と区分されますが、この債務者区分をイメージすると、以下のようになります。
それでは不良債権とは、どの債務者区分からかというと 要注意先の中の要管理先以下が不良債権となります。要管理先以下が不良債権となりますので、円滑な融資取引を目指すうえでは制約が出てきます。なお実質破綻先以下での新規融資取引はあり得ません。
注意しなければならないのは、ときどき赤字となるような要注意先の中小企業が、借入金の返済の軽減など条件変更等を依頼すると、要管理先以下にランクダウンしてしまうことです。そこで一定の条件を満たした経営改善計画(実抜計画)が必要となってきます。