日経新聞に、「日銀のマイナス金利政策の解除を受け、銀行が貸出金利の引き上げに動き始めている。」このような記事を目にしました。さらに、「3月の新規貸出しの平均金利は3カ月ぶりに上昇に転じた。」としている。
これは、5月24日に公表された、日銀の「貸出約定平均金利」(2024年3月)によるものと思われます。3月の国内銀行(都市銀行、地方銀行、第二地方銀行)の新規の貸出約定平均金利が0.803%と3カ月前より0.113%上昇しており、今後、貸出金利の上昇傾向が続く公算が大きくなっている。
もう少し詳しく見ると、固定金利は、国債利回りが上昇したことですでに上昇している。変動金利については、預金金利に連動する短期プライムレート(主要行)はまだ変動していない。一方で、メガバンクが指標としている東京銀行間取引金利(TIBOR)はすでに上昇している。
まずは、自社の借入金の金利が、固定金利なのか変動金利なのか、変動金利の場合、どの指標を利用しているのかなど確認しておきたい。
金融機関から見ると、貸出金利が上昇する主な要因として「調達金利の上昇」、貸出する企業の「信用リスクの悪化」があるが、いずれにしても、金利上昇に備えて、既存借入の見直しとともに、経営改善に取組むなど、事前の対応が欠かせない。
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