アフターコロナ、急激な為替変動や供給不安、そして休・廃業増加に伴う事業承継問題など、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
コロナ関連融資により過剰債務状態に陥った中小企業も多く、利益確保による返済キャッシュフローの確保をめざす経営改善支援、そして、大幅な債務超過を解消するために抜本的な企業再生支援も求められています。
本研修では、取引先企業との日常的・継続的な関係を強化し、現状把握により経営者の課題認識を促し、経営改善計画の策定とその実行を支援していくため、企業再生支援の全体的な枠組み、そして、具体的な事例を通して伴走型支援の実践手法について学んでいきます。
【研修の内容】
I.激変する融資環境と中小企業の対応
1.中小企業白書に見る、中小企業を取り巻く環境
2.小規模企業・中小企業の厳しい状況
Ⅱ.金融行政方針と事業性評価
1.金融行政の動向
2.「2024事務年度 金融行政方針」
3.求められる本業支援の実践
4.「地域密着型金融の推進に関する監督指針」
Ⅲ.地域金融機関に求められる課題解決支援とは
1.課題解決型金融の全体的枠組み
2.中小企業のライフステージの見極めと課題解決支援
Ⅳ.顧客企業の課題解決支援の進め方
1.融資業務フローにおける債務者管理
2.日常的・継続的関係強化の必要性
3.事業存続の見極めと対応
Ⅴ.自己査定の債務者区分のポイント(経営改善支援)
1.自己査定の債務者区分のイメージ
2.実現可能性の高い抜本的な経営再建計画とは
Ⅵ.経営改善支援の進め方
1.経営改善支援のフロー
2.経営改善支援のポイント
Ⅶ.カネの面からつかむ顧客企業の実態と課題
事例:食品スーパーから学ぶ
1.比率分析の着眼ポイント
2.収益構造をつかむ
3.資金繰り改善提案(キャッシュフロー分析)
事例研究:製造業の事例(キャッシュフロー改善)
事例研究:工務店の事例(収益構造の見直し)
Ⅷ.経営戦略等のフレームワークを活用して打ち手をつかむ
1.SWOT分析を活用する
2.経営戦略とマーケティング戦略
事例研究:経営改善支援の全体的な流れと対応方法
事例研究:土木建設業(事業承継に向けての抜本再生)
Ⅸ.顧客企業の事業の仕組みをつかむ
Ⅹ.顧客企業の事業内容や実態をつかむ
1.訪問等により、しっかりと観る
2.内部環境のヒト、モノ、ノウハウとは
Ⅺ.融資の基本を再確認する
1.融資取り上げ時の3つのポイント
2.資金繰りを改善するには
3.重要性が増す融資実行後の取組み
Ⅻ.価値創造のためのコーディネート力の発揮
1.マッチング支援の進め方
XⅢ.抜本的な事業再生支援
1.中小企業活性化協議会による支援
2.中小企業活性化パッケージNEXTの概要
3.中小企業の事業再生等に関するガイドラインの概要
4.具体的な再生スキーム
※成功事例・失敗事例など、実際の対応事例を交えて進めていきます。